スクランブル 2018 7 14

 スクランブルとは、
日本の領空に近づく国籍不明機に対する
戦闘機の緊急発進のことです。

2018年7月6日のロイターには、このようなニュースがありました。

 アメリカのノースロップ・グラマンが、
約30年ぶりに戦闘機開発への復帰を目指している。
 アメリカ空軍の主力機選定で、
ロッキード・マーチンに敗れて以降は、
戦闘機製造から遠ざかっていたが、
日本の航空自衛隊の「F2」後継機開発への参画を模索している。
(引用、以上)
 ノースロップ・グラマンと言えば、
私は、「YF-23」を連想します。
 ノースロップとロッキードは、
アメリカ空軍のステルス戦闘機の開発で競合しましたが、
ロッキードの「F-22」が勝利を収めました。
 どうして「YF-23」は敗れたか。
「YF-23」は、当時にしては斬新的なデザインで、
まるで「宇宙船」を連想させるようなものでした。
 一方、「F-22」は、伝統的なデザインを継承して、
メンテナンスが優れていると言われました。
 さて、私の机の上には、
ロッキード「F-35A」の模型があります。
そのほかに、「フェラーリ488」の模型もあります。
 私は、「工業デザイン」に興味があって、
このような模型が置いてあるのです。
 「F-35A」は、机の上にあるので、
いつもを眺めていますが、
日本の防空には適していないと思っています。
 「F-35A」は、戦闘爆撃機です。
特に爆撃性能は、非常に優れています。
 これは、空中給油機の支援を受けながら、
高度なステルス性能を発揮して、
敵国の奥深くまで侵入して、
軍事施設を爆撃するという想定が考えられます。
 また、「F-35A」は、
「空飛ぶネットワーク・システム」と言われ、
まるで「コンピューター・ネットワーク」が空を飛んでいるようなものです。
このような機能は、先制攻撃や本格的な戦争には極めて有効でしょう。
 ところで、日本の空軍は、
日本の領空に近づく国籍不明機に対する
スクランブルがメインになっています。
 そうなると、「F-35A」は適してないことがわかるでしょう。
スクランブルでは、国籍不明機に対して、
日本の戦闘機が近づいているとわからせる必要があります。
 そのため、国籍不明機のレーダーには、
日本の戦闘機がスクランブル発進をして接近しているという状況表示が必要です。
 もし、ステルス戦闘機がスクランブル発進すると、
国籍不明機のレーダーには、何も映らないので、
ステルス戦闘機には、「レーダー反射板」のようなものを取り付ける必要があります。
 さて、国籍不明機に対しては、「目視」で確認する必要があります。
つまり、目視できるほど、接近する必要があります。
 不測の事態が発生するのは、このような時でしょう。
ドッグファイト(格闘戦)をするにしても、
ドッグファイトを避けるにしても、
戦闘機には、非常に高度な機動性が必要です。
 さて、ステルス性能を発揮して、
敵機に気づかれる前に長距離のミサイルを発射して、
決着をつけるという状況は、
本格的な戦争になった場合や先制攻撃の場合です。
 日本の場合は、専守防衛という国是からすると、
先制攻撃はないでしょう。
 本格的な戦争の場合は、日米軍事同盟によって、
アメリカ軍とともに戦うでしょう。
 さて、こうしてみると、
日本の戦闘機には、ステルス性能は、それほど必要ないが、
「非常に高度な機動性」が必要となります。
 しかし、今の時代は、ステルス全盛の時代なので、
ステルス戦闘機でないと、誰もが納得しないでしょう。
 そうなると、「F-22改良型」か「YF-23」となります。
しかし、「YF-23」は、試作機が2機作られただけだと聞いています。
 試作機というと、既存戦闘機の部品を流用して作られるものですので、
「YF-23」を選択した場合は、ゼロから開発するようなものです。
 一方、「F-22改良型」にしても、
アメリカ空軍は採用しないでしょうから、
「生産台数」は少なくなり、単価は高いものとなります。
実に悩ましいものです。
 さて、アメリカ空軍の次期戦闘機は、
独創的なものになると言われています。
今までの戦闘機の概念を変えてしまうとも言われています。
 要するに、「機密の塊」と言われた「F-22」が、
古いものとなってしまったのでしょう。















































































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